4つの即興曲(よっつのそっきょうきょく)作品142、D935は、フランツ・シューベルトが最晩年の1827年頃に作曲したピアノ独奏曲。ピアノソナタという形式をとらないが、実質大ソナタとも呼べる優れた構築性が認められる。特にロベルト・シューマンによってこうした指摘がなされ、現在では4曲を一組として演奏されることが多い。第3曲は「ロザムンデ」の主題をそのまま生かした洗練された変奏曲であり、単独での演奏機会も多い。 <br />その第2曲、変イ長調。4分の3拍子。優雅なメヌエット風の楽章。フルトヴェングラーも好んだといわれる重厚な和声。中間部は下属調変ニ長調。軽やかな三連符のアルペジョ。映画『神童』にも登場する。